番号 台詞(薄字は注釈、描写) 注釈
001 アトリ 「オーッホッホ! 今日も辛気臭い面引っ提げて下向いてるカケスちょうの男ども、顔を上げなさい! みーんな、アタシの好みの男になーぁれ! オーッホッホッホ」 高笑い
002 アトリ 「あらぁ〜、アンタなかなか可愛い顔してるじゃない。もうちょっと髪の色明るくして伸ばしたらイケてない事もないんじゃないかしら」
003 葦切 「近寄らないでください変態鳥野郎」
004 アトリ 「んまー、栄養偏ってるわね。ちゃんと食べなさいよ肉がつかないじゃない」 セクハラ
005 葦切 「なんなんですか、ここのところ毎日毎日行く先々に現れて! 人が弁当食ってるの邪魔しないで貰えます!?」
006 アトリ 「アンタ好き嫌い多いでしょ、だから体力つかないのよ。ほらこれも食べなさい、これも体に良いから」
007 葦切 「う、うわ、ちょっと!」
008 アトリ 「アンタみたいなヒョロガリなんて、筋肉がつかなければ魅力台無しよ! まるまると肥えてしまいなさい!」
009 葦切 「だ、誰か! 誰か助けて〜〜」
010 ヒワ 「大丈夫です、ご安心ください。変身! この魔女っ娘ヒワちゃんに、ドンとお任せください!」 自信満々
011 ヒワ ポイズンマギア タイトルコール
012 ヒワ 「怪人アトリ! 許しませんよ!」
013 アトリ 「来たわね魔法少女。噂通り少しでもやらかすとすぐ現れるようね。さあ、思う存分この私を踏んでいきなさい」
014 ヒワ 「こんにちは、そして死ね!」 顔面パンチ
015 アトリ 「へご!」
016 ヒワ 「貴方みたいな、なんでもかんでも世話を焼いちゃうようなやつが世の中の男をダメにするんですよ!」
017 葦切 「ヒワちゃん!? 君、近所に住んでるヒワちゃんだよな、なんてトチ狂った恰好を……」
018 ヒワ 「違います、三津階みつかいヒワおよび既存の魔法少女とは一切関係ありません」 棒読み
019 シギ 「彼女はれっきとした宇宙人です」
020 ヒワ 「仕方ない、出直しますね」 やる気を削がれる
021 葦切 「ちょっと待て、俺を助けろ!」 慌てる
022 ヒワ 「子供に助けを求めるなんて男としてプライドないんですか恥ずかしくないんですか。警察でも呼んだらいいんじゃないですか?」 軽蔑
023 葦切 「こんなわけわからん連中に囲まれてるところに呼べるか! うっ!」 殴られる
024 ヒワ 「魔法少女の正体がバレるという危機を強引に回避し! ここで取り出したるは! 釘バット!」
025 葦切 「記憶が飛ぶとこだったわ、やめろ大怪我するぞ! 俺が!」
026 ヒワ 「イヤダナァ、これはれっきとした魔法ですよ」 棒読み
027 葦切 「やめろやめてくれ、そんな物で殴ったら大変な事になる!」
028 アトリ 「あっ、やめっ……悪くないわね、癖になるわ! もっと! さあ、もっと!!」
029 ヒワ 「うわ気持ち悪っ」 ドン引き
030 アトリ 「そこじゃないわ、もうちょっと……ああっ!」
031 葦切 「すみません警察ですか! 幼女がよく分からない黒ずくめの男に殴る蹴るなどの暴行を加えており」
032 シギ 「ちょっと、余計なことはやめてくれます!?」 割り込んで携帯を奪う
033 葦切 「俺の携帯!」
034 シギ 「警察なんかに通報されてN○SAンサにでも連行されたらどうするんですか、キャトりますよ」
035 葦切 「アッハイすみません」
036 アトリ 「くっ……やるわね魔法少女、アンタなかなか心得てるのね。ちんちくりんなクソガキって事だけが惜しいわ」
037 ヒワ 「まったく人騒がせな怪人ですね。真昼間から暇な大学生誑かして遊んでないで、怪人は怪人らしく作戦でも練ったらどうですか」
038 アトリ 「アタシには野望があるんだからそんな暇ないわよ、お子様はこれだから駄目ね」
039 ヒワ 「どこからどう見ても暇人ですよ。真昼間からこんなところで何してるんです?」
040 アトリ 「見れば分かるでしょう。お宝探して探索してんのよ、アタシの野望に必要な光る原石をね!」
041 シギ 「光り物が好きなカラスかな……青少年の教育に良くないよ」
042 アトリ 「チッ、仕方ないわね。見てなさいよ、また来てやるんだから。オーッホッホ」 高笑いで退散
043 シギ 「懲りないなーもー」
044 葦切 「なんなんだよもう……」 ぐったり
045 ヒワ 「無事ですか? 葦切よしきりさん。栄養不足に困っているなら、このヒワが魔法でなんとかしますよ!」
046 葦切 「魔法って、どうやって……栄養不足?」
047 ヒワ 「葦切さんのバランスの偏ったお弁当よ、焦げもすべて栄養になーれ! これでバッチリです! 報酬はピザでいいですよ!」 ドヤ
048 葦切 「帰れー!! 何しに来たんだお前らー!」
049 ヒワ 「怒られてしまいました。どうしてでしょうか」 無反省
050 シギ 「ちょっと怪人アトリをボコボコにしすぎちゃったんじゃないの」
051 ヒワ 「あいつはいいんです、蹴られて喜ぶような奴なので存在が害です」
052 シギ 「寧ろ最近はそれ目当てに出てきてるような気さえするんだけど……」
053 ヒワ 「今までの被害者は早々に逃がせばアトリも諦めたんですけどね。今回に限ってはしつこいですね、葦切さんも甘んじて受け入れてるような部分ありますし」
054 シギ 「なんでだろうねぇ。あんまり一つに時間をかけてもいられないんだけど……もしかしてそういう趣味でもあったりして」
055 ヒワ 「冗談にもならない事言わないでください」
056 シギ 「だってー、全力で抵抗したっておかしくないじゃないか。通報くらいするでしょ」
057 ヒワ 「警察に引き渡したって人間じゃないですから、役に立ちませんよ」
058 シギ 「そうかなぁ」
059 ヒワ 「そうですよ。葦切さんはきっとアトリに何か弱みを握られてるに違いありません。そうとなったら早く葦切さんを見つけて助け出さなければ!」
060 シギ 「君そういうちょっと思い込みが強いところあるよね――ヒワ、あっちに怪人が出没した!」
061 ヒワ 「まったくもう、気が休まらないですね!」
062 少年 「お母さん助けて、変な奴がいるー!」 怯える
063 ネバット 「野菜が食えないというのか小僧、野菜が嫌いなガキはこうしてやるぞー!」
064 少年 「うわああ、僕の嫌いなピーマン! カゴに盛らないで!」
065 ネバット 「なぁんだと〜貴様ぁ〜、俺様の野菜スープが飲めないのか〜〜」
066 ヒワ 「困った人ですね。野菜が苦手なお子様もなんのその、この魔女っ娘ヒワちゃんにお任せください!」
067 ネバット 「なぁんだ〜、俺様の邪魔をするのか」
068 少年 「うわーん! 変なのが増えたー!!」
069 ヒワ 「ご安心ください少年、栄養なら私の得意分野です! じゃーん、野菜ジュース! 一日これ一本あれば必要な栄養が足りちゃうんですよ! 世の中便利になりましたね!」
070 シギ 「本当はそれを飲むなら同じだけ野菜食べた方が健康なんだけどね」
071 ヒワ 「何よりお子様でもご安心、ジュース感覚で飲みやすい! 質素なご飯もこのヒワちゃんの魔法にかかればこの通り! 切り刻んでカレーにしてしまうのです!」
072 少年 「どっちもヤダー!」
073 シギ 「怪人ネバット、密航の容疑で逮捕する!」
074 ネバット 「ゲェッ、貴様宇宙管理局のエージェントか! こんなところにまで出てくるなんて卑怯だぞ」
075 ヒワ 「卑怯も何もありますか! 密航した揚句、地球のみなさんにご迷惑かけるなんて許せません! 大人しく外に出なさい!」
076 ネバット 「誰が大人しく従うかぁ! こちとら地球の自由を謳歌してるんだ俺様の邪魔をするんじゃ――」
077 葦切 「ま〜た〜お前らか」 イライラ
078 シギ 「あ、葦切」
079 葦切 「騒がしい奴だな! 公共の場所では静かにしていろ!」
080 ネバット 「ふぐっ!」 ゲンコツ
081 少年 「ヒィッ」 ビビる
082 ヒワ 「葦切さん! なぜここに」
083 葦切 「一人暮らしが買い出しに来たら都合悪い事でもあるのか、なんで俺の行く先々に現れるんだよお前らは」
084 ネバット 「野菜炒めも食べろ〜」 断末魔
085 ヒワ 「葦切さん有難うございます、ご協力感謝します! すぐ説明しますからちょっと待っててくださいね! さあネバット、管理局に送り返しますよ」
086 シギ 「葦切ちょっと待っててよ、話があるんだよ」
087 葦切 「知るかよ、俺は帰る。もう二度と俺の前に現れんなよ――ああっ、長ネギ折れてるし!」
088 シギ 「待ってよ〜手柄を奪われた上に逃げられるなんて話にもならないじゃないかー」
089 ヒワ 「お待たせしました! あれ、葦切さんは?」
090 シギ 「帰っちゃった」
091 ヒワ 「私の魔法は野菜が苦手な子供だって救えるのに、葦切さんには何が足りないんでしょうか……カルシウム?」
092 シギ 「そりゃあ、魔法は使えば使うほど社会的に信用をなくすからね。時と場合を選ばなきゃ」
093 ヒワ 「時と場合?」
094 シギ 「魔法は万能じゃないんだ、本当に大切なことは魔法に頼ってちゃいけないよ」
095 ヒワ 「本当に大切なこと……」
096 シギ 「君がいるのは地球だからね。人間の常識に従わなくちゃ。ハチャメチャな宇宙人に合わせてたら変人に思われても仕方ないよ」
097 ヒワ 「……そっか。そうですね。それは確かに魔法で解決しようとしてはいけないですね」
098 シギ 「あっ分かってないなこれは……」 独り言
099 ヒワ 「だって魔法少女になって目下やる事といえば、変態探しと変態退治と変態の強制送還ですよ。影響されない方がおかしいってもんです。もうちょっと楽にお金が稼げれば――」
100 シギ 「いやいや自制しようよ、基本的に管理局から支給されてる給料以外は慈善事業だよ」
101 ヒワ 「そもそもがですね。こんなことになったのはすべてシギの所為なんですよ。思い出してくださいよ、ホラ」
(回想)
102 シギ 「助けてくれ、君の力が必要なんだ! 君は選ばれた少女なんだ」
103 ヒワ 「……は? 何言ってるんですか、早く出て行ってください。しっ、しっ」
104 シギ 「害獣じゃないから安心してよ! 本当のことだよ、僕は宇宙管理局のシギ、話を聞いてよ」
105 ヒワ 「簡潔に済ませてくださいよ」
106 シギ 「最近地球への密航者が絶えなくてね。管理局は人間にバレる前にこっそり連れ戻そうとしてるんだけど、人手が足りないんだ。そこで、君には魔法少女になって僕らを手伝って欲しい。地球で暴れる怪人を捕獲して欲しいんだ!」
107 ヒワ 「そんな事言っても、私魔法なんて使えませんよ」
108 シギ 「それに関しては安心して、これを使ってよ! 魔法アイテム・釘バット! これさえあればどんな大男も一発でノックダウン!」
109 ヒワ 「そんなもん振り回したら危ないじゃないですか!」
110 シギ 「当たり前じゃないか、相手は君より強いんだから。ま、頑張ってよ」
111 ヒワ 「私まだやるなんて言ってません〜!」
(回想終了)
112 シギ 「そういう事もあったね」
113 ヒワ 「ね? やるからには私の好きにやらせてもらうっていう約束ですよ」
114 シギ 「ちゃんと捕獲してくれるなら手段は問わないし、別にそれでもいいけどさ」
115 ヒワ 「何か問題が?」
116 シギ 「いや……別に……致命的に評判が悪いと思って……業務に支障が出ないといいなぁ」
(公園前の自販機で飲み物を買おうとしている葦切)
117 葦切 「あー今日もひでえ目に遭った……いつになったら逮捕されんのかなーあの変態。また帰ったらいるんだろうなあいつ、帰りたくねぇー……あれ、出てこねぇぞ」
118 ヒワ 「綺麗に引っかかりましたね、自販機は蹴っちゃだめですよ」
119 葦切 「ヒワちゃん……帰れって言ったよな?」
120 ヒワ 「そんな時はこの魔法アイテム、釘バット! ふんっ!」
121 葦切 「自販機は蹴るなって今言わなかったか!?」
122 ヒワ 「蹴ってません、問題ないです」
123 葦切 「ありすぎるわ!」
124 シギ 「それより聞きたい事があるんだよ葦切」
125 ヒワ 「昼間の怪人の事です。最近よく付け回されてるんですか?」
126 葦切 「家に帰ると……よく勝手に飯が用意されてる。最初は怖えーなって思ったんだけど……なんかだんだんマヒしてきちゃって……」
127 シギ 「住居不法侵入罪じゃないか、なんで通報しなかったんだい」
128 葦切 「ちょっと便利だなとか思ったりもしました!」
129 ヒワ 「気持ち悪いだけじゃないですか。なんで追い返さないんですか?」
130 葦切 「俺は諦めた。あいつはしつこい、それも死ぬほどしつこい。そして思ったより悪さしない。具材さえ置いておけばあとは勝手に炊事洗濯掃除してくれるんだ……」
131 シギ 「危機感ないぞこの男……」
132 ヒワ 「やっぱり世の中の男をダメにする怪人じゃないですか。他にアトリに狙われる心当たりはないんですか?」
133 葦切 「そんなものが分かったら今頃苦労してねーよ、俺が知りたいくらいなんだ。そんな事よりお前もう帰れよ! ガキが遊ぶにはもう遅い時間だぞ! 親は何やってんだまったく――」
134 ヒワ 「いませんよ」
135 葦切 「えっ……?」 動揺
136 ヒワ 「私に両親はいません。お父さんもお母さんも、いないんです」
137 葦切 「そ……それは、悪い事を言ったな、ごめん……そもそも、ヒワちゃんはなんでこんな事やってんだよ」
138 ヒワ 「このマスコットみたいな宇宙人と契約したからですよ。私のお仕事です」
139 葦切 「契約?」
140 ヒワ 「はい。悪の組織に人質に取られた両親のために、私は日々悪い怪人をやっつけるんです!」
141 葦切 「ヒワちゃん……まだ小さいのに随分しっかりして――」
142 シギ 「まあ全部嘘なんだけど」
143 葦切 「嘘かよ!」
144 シギ 「街を騒がせる怪人をこつこつ退治するのは魔法少女の役目」
145 ヒワ 「まずは町内のトラブルを華麗に解決し、人望を得る事!」
146 ヒワ 「目指すは世界征服!」
147 シギ
148 葦切 「駄目だこいつら……」
149 ヒワ 「それはそうと葦切さん、早くお家に帰った方がいいですよ。また怪人が現れないとも限らないので」
150 葦切 「はあ……本当ならそれは俺の台詞なんだけどなぁ……」
151 ヒワ 「私なら大丈夫ですよ。ちょっとやそっとじゃやられません」
152 葦切 「そりゃまあ、あんな釘バット持ち歩いてるんだからそうなんだけど――君だって女の子だろう、ちょっとは俺を立てて家まで送られていきなよ」
153 ヒワ 「葦切さんみたいなダメな年上の男頼れると思ってます……?」
154 葦切 「この子どこまでもひどい!!」
155 シギ 「ヒワ……それはちょっと言い過ぎでは……」
156 葦切 「帰りたいのは山々なんですけどね、何かいたりしたら嫌だなって思うとな」
157 ヒワ 「家によく知らない誰かいるなんて人間じゃないから余計に気味悪いですね」
158 葦切 「人間だったらもっと怖いわ!」
159 ヒワ 「それとも私に利用されて、怪人を誘惑してくれたりなんかするととても助かるんですが」
160 葦切 「最近の若い子は無茶苦茶をおっしゃる」
161 シギ 「何を企んでるのヒワ……」
162 ヒワ 「言った通りですよ、怪人アトリを誘惑してくれたら助かるかなー……なーんて。もちろん文字通りの意味ではないですよ」
163 葦切 「へ?」
164 シギ 「ヒワ、本当に尾行するつもりかい」 呆れ半分心配半分
165 ヒワ 「最近のアトリのお気に入りは葦切さんみたいなので、泳がせて張り込んだ方が解決はずっと早いです」
166 シギ 「それはそうなんだけど――夜子供が尾行するっていうのも少し怪しいような……昼だから良いって事でもないけど」
167 ヒワ 「大丈夫です、目くらましの魔法を使って、周りの方には大人の女に見えるように仕向けてあります!」
168 シギ 「もっとやばいと思うんだけど」
169 ヒワ 「どうです、大人の魅力にドキドキするでしょう」
170 シギ 「ドキドキはしませんハラハラならします」
171 ヒワ 「なんですかシギ、私には大人の女としての魅力が足りないって言うんですか」
172 シギ 「そういう問題じゃないよね、君どうあがいたって素の状態は少女だからね」
173 ヒワ 「見る目がないですね、まったく――出ました、シギ! 怪人です!」
174 アトリ 「オーッホッホッホ、今度こそは邪魔するやつもいないわね。この怪人アトリ、約束とは守るもの。ちゃんと時間通りが現れてやったわよ!」
175 ヒワ 「出ました、シギ! 怪人です!」
176 アトリ 「さあ少年、ちゃんと夕飯は食べたのかしら。昼みたいな好き嫌いはお兄さん許さないわよ」
177 葦切 「出〜た〜な〜怪人、今度こそ警察に突き出してやっからな」
178 アトリ 「できるものならやってみなさい、男だからって毎日遅くまで出歩くのは感心しないわね。アンタまだ未成年でしょう、補導されちゃうわよ。アタシが家までついて行ってあげるから、早くお帰りなさい」
179 葦切 「そうはいっても家の中まで入ってくるんだろお前! あーもう、こんな事なら忠告通りさっさと帰るんだったなついてねぇ」
180 アトリ 「留守の間に乾いた洗濯物は取り込んでおいてやったわよ、感謝なさい。雨が降らなくて良かったわね。アンタまたアイロンがけ溜め込んでるんでしょう。まったくもう、本当に駄目な子ね。家事が片付いたらそうね――今夜は寝かさないわよ」
181 葦切 「全力でお断りします」 必死
182 アトリ 「そんな事言って、焦らすのが得意なんだからぁ」
183 ヒワ 「そこまでです、怪人アトリ! 公衆の面前で何してるんですか、けがらわしいですよ!」
184 シギ 「そうだぞ子供に見せるものじゃないぞ! 怪人アトリ、貴様は密航の疑いで逮捕状が出ている。今度こそ大人しく星に帰ってもらうからな!」
185 アトリ 「うるさいわね、お子様はとっととお家に帰って寝なさい。アタシはアンタなんかにキョーミないのよ」
186 葦切 「ヒワちゃん、早く逃げるんだ!」
187 アトリ 「あら、アンタ宇宙管理局のエージェントだったの。道理でしつこいわけね。でもアタシここが気に入ったの。ここにアタシのハーレムを築き上げて従順な下僕達と一緒に暮らすんだから、さっさと帰って頂戴」
188 葦切 「俺の意見は無視する気か!」
189 アトリ 「アンタ達にアタシの癒し計画を邪魔する権利はないのよ」
190 ヒワ 「酷いですよアトリ! 葦切さんも嫌がってるじゃないですか!」
191 シギ 「趣味が悪いよ!」
192 アトリ 「ああもう、うるさいわね!」
193 ヒワ 「大体葦切さんの何が良いって言うんですか」
194 アトリ 「平凡な見た目で、突出して何かに秀でているわけでもない。程々に駄目で、アタシがいてやらないとてんでダメそうなところなんて、最高に良いじゃない。ああいう駄目男を飼い殺してこそ伸ばし甲斐があるってものよ」
195 シギ 「やっぱり趣味悪いよアトリ」
196 葦切 「好き放題言いやがって……やっぱり小さい子にお前みたいな変質者の相手は任せられないね。ここは俺が何とかするからヒワちゃんは下がってて」
197 ヒワ 「葦切さん……」
198 葦切 「怪人! 前々からお前に一言言いたい事があったんだ、よーく聞くきやがれ」
199 アトリ 「あら勇ましいわね、坊や。一体何かしら」
200 ヒワ 「葦切さん、駄目です! いくら怪人アトリとはいえ危険です!」
201 葦切 「是非、この俺を養ってください」
202 シギ 「こ……この男、何のためらいもなく土下座しやがった」
203 ヒワ 「……そうでした、葦切さんはそういう人でした。少しでも見直した私が愚直でした――怪人アトリ、知ってます? アトリって鳥は焼いて食べると美味しいそうですよ」
204 アトリ 「ヒィッ、ちょっと! その手に握ったフォークは何なのよ、何をするつもりなのよ! アンタそれでアタシを刺そうって言うのね! 残念だけどそっちの趣味はないのよ、やめて頂戴!――よだれを垂らすな!」
205 ヒワ 「やっぱりあなたは世の男を駄目にする怪人です。即刻宇宙に帰還してください、これ以上の不法滞在は許せません」
206 葦切 「ちょっと待ってなんで俺もこっち側なの!?」
207 ヒワ 「鉄・拳・制・裁! 星になぁーれ☆」 腹パン
208 葦切 「う゛っ」
209 アトリ 「ん゛っ」 悶絶
210 シギ 「こうしてカケス町の怪人はまた一人、宇宙管理局によって護送されて行った」
211 葦切 「やあヒワちゃん、今日も怪人退治の仕事かな?」
212 シギ 「僕もいるよ」
213 ヒワ 「葦切さん、あれ以来何もないようで安心しました。他の怪人が現れたりなんかしてませんか?」
214 葦切 「してないよ。本当にお世話になったし何かお礼がしたいんだけど――えっなんで俺が近付いた分だけ逃げるの」
215 ヒワ 「不用意に近寄らないでもらえます? 微塵もプライドなく、あんな台詞言える人の同類だと思われたくないんで」
216 葦切 「幼女の俺を見る目がとてつもなく冷たい……」
217 ヒワ 「本日もカケス町は平和です!」